「天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼」飯野亮一著

公開日: 更新日:

 国民食ともいえる丼物の各ルーツと、人気食へと成長したその経緯を追う食文化史エッセー。

 丼物の誕生は、日本の食文化史における一つの革命だったと著者はいう。天ぷらそばなどはあったが、それをご飯にのせるという発想がまだなかった江戸時代、今からおよそ200年前の文化年間に革命が起きた。

 うなぎ屋が新たな客層を掘り起こそうと、酒のさかなとして売られていたかば焼きに「つけ飯」を始めた。そんな中、うなぎ好きの大久保令助という男が、冷めないように丼の飯の間にかば焼きを挟ませて芝居小屋まで届けさせた。そんな「うなぎ飯」がやがてうな丼へと変化していったという。以降、天丼、親子丼、牛丼、かつ丼の順番で続々と誕生していった丼物事始めを多くの史料をひもときながら解説する。

(筑摩書房 1200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?