「イギリス人の患者」マイケル・オンダーチェ著 土屋政雄訳

公開日: 更新日:

「イギリス人の患者」マイケル・オンダーチェ著 土屋政雄訳

 そのイギリス人は、操縦していた戦闘機がドイツ軍に撃墜され、北アフリカの砂漠に墜落。ベドウィンに助けられ一命をとりとめたものの、全身にやけどを負い、顔も名前も失い、その後、連合国軍が野戦病院として使用していたフィレンツェのある屋敷にたどりつく。やがて、戦線が北上し、負傷者と看護師は南のより安全な場所へと移動した。

 しかし、イギリス人の患者と彼を看護してきた女は移動を拒み、廃屋と化した屋敷に残った。女は男の世話に明け暮れ、世話がないときは屋敷の図書館から持ち出した本を男に読んで聞かせる。そんなある日、ローマの病院で女の名前を耳にしたと男が会いに来る。

 英国の権威ある文学賞・ブッカー賞の50年の歴史の中で最も優れた作品に選ばれた傑作の復刻。

(東京創元社 1320円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 2

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  3. 3

    国分太一が無期限活動休止へ…理由は重大コンプラ違反か? TV各局に全番組降板申し入れ、株式会社TOKIO解雇も

  4. 4

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    進次郎農相の化けの皮ズルズルはがれる…“コンバイン発言”で大炎上、これじゃあ7月参院選まで人気持たず

  3. 8

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ