「美味しい落語」吉川潮著

公開日: 更新日:

「美味しい落語」吉川潮著

 著者は寄席で先代柳家小さんの「時そば」を聴くと、たまらなく蕎麦が食べたくなり、いつも帰りに蕎麦屋に寄った。ただ、昼席ならいいが、終演が9時前後になる夜席の場合、蕎麦屋は閉店時間が早いので閉まっている店が多い。寄席の客のために営業時間を延ばしてほしいものだ。

 林家木久扇が木久蔵だった頃やった「目黒の秋刀魚」は傑作だった。お殿様を長谷川一夫、秋刀魚を食べさせた百姓の老爺を林家彦六の声色で演じたのだ。業界では「邪道」と評されたが、著者が新聞の演芸欄に「客が大喜びしているのだから評価されてしかるべき」と書いたら、木久蔵は大喜びだった。

 演芸評論家が食べものが出てくる噺を紹介する。

(飯塚書店 1540円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然