「ピークアウトする中国」梶谷懐、高口康太著
「ピークアウトする中国」梶谷懐、高口康太著
世界経済を牽引してきた中国は、国内の不動産価格の低下から生じた経済不振によってピークアウトを迎え、これまでにない不確実性が生じている。一方で、中国の電気自動車・太陽光パネル・リチウムイオン電池は「新三様(新三大輸出製品)」と呼ばれ、世界の市場を席巻しつつある。脱炭素に不可欠なこうした次世代の産業で中国企業は、先進国の企業が太刀打ちできない実力を身につけている。
不動産市場の低迷による需要の落ち込みと、新興産業の快進撃と生産能力過剰という2つの異なる問題は、中国経済が抱える課題のいわばコインの裏と表だという。
マクロ経済の低迷と、それをものともしない一部の民間企業の躍進が共存する現在の中国経済の本質を解説したテキスト。
(文藝春秋 1210円)