「民族がわかれば中国がわかる」安田峰俊著

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「民族がわかれば中国がわかる」安田峰俊著


 中国は、公的な定義だけでも56もの民族を擁する多民族国家だ。人口の91%は漢族だが、約2000万人を擁するチワン族をはじめ、1100万人以上いる回族やミャオ族などの「少数」民族も多くいる。また共産党の高官や企業経営者、スポーツ選手や文化人らにも少数民族出身者は少なからずいる。個人の略歴を紹介する際にも、その人がどの民族に属するかが必ず記されるほど、中国では民族が重要視されている。一方で、中国政府によるウイグル族などへの人権侵害がたびたび西側メディアでは報じられている。

 本書は、中国の個々の少数民族の歴史や現在を解説しながら、なぜ中国政府が一部の民族を弾圧するのか、中国における民族とはどういう存在なのかを解説した中国論。

(中央公論新社 1100円)

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