「カウンターエリート」石田健著
「カウンターエリート」石田健著
カウンターエリートとは、政府や官僚、マスコミなどのエリートを既得権益と批判して、喝采を浴びている人たち。世界各国で同時多発的に台頭し、政治や社会、メディアなどの領域で地殻変動を起こしつつある。
カウンターエリートたちはネットで極論をまき散らし注目を集めるだけの危険人物だと考えられ、その主張は過小評価され過ぎていると著者は指摘する。さまざまな局面で「何かが間違っている」と主張する彼らの言葉を文字通り受け取る必要はないが、それを真剣に考える必要があるというのだ。
今や主流の政治メディアを揺るがす存在となったカウンターエリートとは何者であり、なぜ誕生したのか。彼らの思想を読み解きながら、彼らが台頭する社会がどこに向かうのかを考察したテキスト。
(文藝春秋 1188円)