「『文明の裁き』をこえて」牛村圭著

公開日: 更新日:

「『文明の裁き』をこえて」牛村圭著

 昭和21(1946)年、日本の戦時指導者28人を訴追した極東国際軍事裁判(東京裁判)が開廷。首席検察官のジョゼフ・B・キーナンは、冒頭陳述で「文明国」である連合国が「非文明」で「野蛮」な日本を裁くという枠組みを提示。ゆえに東京裁判は「文明の裁き」とも形容されてきた。

 その後の歴史を見れば、連合国側の「文明の裁き」という主張が「偽善的な虚ろな響き」であったことは明らかで、裁く側に「旧植民帝国の臭いが強すぎる」と言われている。東京裁判は「文明国たることを標榜する連合国の独善であり、実質においては植民地喪失に対する復讐であった」という指摘もあるという。

 東京裁判と同時期に行われた対ナチス国際軍事裁判と比較するなど、多視点からこの文明の裁きの実態を解き明かす論考。 (筑摩書房 1760円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    医学部に進学した息子のために老後破産したエリートサラリーマンの懺悔

  2. 2

    株主82万人に拡大も…前澤友作氏「カブ&ピース」のビジネスモデルは法規制に大きく左右される

  3. 3

    休養中の菊池風磨「timelesz」5月ライブは不在…チケット"取れすぎ"が危ぶまれるグループ人気と「激痩せ」と「占い」

  4. 4

    高市首相が国政初挑戦の1992年に漏らした「女を武器に」の原点 投開票日の夜に“チョメチョメ”告白の仰天

  5. 5

    田中将大が楽天を去った本当の理由…退団から巨人移籍までに俺とした“3度の電話”の中身

  1. 6

    timelesz菊池風磨「活動休止」のウラ…“働きすぎ”の指摘と冠番組「タイムレスマン」低迷との関連

  2. 7

    ひろゆき氏も"参戦" 「タモリつまらない」論争に擁護派が続出する“老害化とは無縁’の精神

  3. 8

    高市首相「嘘つき政治家人生」のルーツを発掘! 34年前に自ら堂々と「経歴詐称」を認めていた

  4. 9

    カブス今永昇太がサイ・ヤング賞争いに参戦!大谷翔平、山本由伸を上回るリーグ屈指の数字

  5. 10

    「銀河の一票」野呂佳代と並ぶ注目株は56歳名脇役 “ガラさん”の存在感でブレークの予感