「K 時代の恋人」前川裕著
「K 時代の恋人」前川裕著
作詞家志望の水島章雄は、デビューしたばかりの女性演歌歌手Kのマネジャーを任された。仕事に疲れると、足を向けた居酒屋で店主・光二の妹・キエと知り合う。
やがて2人は恋人同士になるが、ある日、光二がキエを強姦したと言って水島に100万円を要求する。水島はKに借りて光二に金を渡し、兄を捨てるようキエに言った。
水島が光二に出刃包丁で襲われるという事件があった後、キエが姿を消した。「わたしにとって、一番大事なのは、あなたの命です」という手紙を残して……。
2人が再会したのは青酸コーラ無差別殺人事件がきっかけだった。昭和の新宿を舞台にしたサスペンス小説。
(実業之日本社 2200円)