「18マイルの境界線」川瀬七緒著
「18マイルの境界線」川瀬七緒著
カントリークラブの山林で、ゴルフ客が死体を発見した。死亡推定は3週間前後で、死因は刺殺による出血性ショックだった。顔は灯油をかけて焼かれ、歯もすべて抜かれており、身元の特定が難しい。
捜査に加わった法医昆虫学者の赤堀涼子は、遺体についていたハエヒメバチに目を留めた。そのハチは主にキノコを食害するキノコバエに寄生する種だった。このハチと、やはり遺体についていたムラサキアツバ、ナガマドキノコバエの3個体が偶然遺体につくことは考えられない。被害者はこれらの虫の生息環境にいたはずだと涼子は考えた。
法医昆虫学者が殺人事件の真相を探るユニークな推理小説。
(講談社 2255円)