「江戸の刑事司法」和仁かや著
「江戸の刑事司法」和仁かや著
江戸時代の「お裁き」と聞くと、拷問に象徴される暴力的かつ粗雑な取り調べと、時にはそれすらなく、冤罪の可能性などお構いなしで即刻死刑、打ち首獄門のような残酷極まる刑罰を科していたイメージだが、現実はどのようなものだったのか。
本書は、江戸時代に実際にあった事件の裁判を取り上げ、科すべき刑罰をめぐって幕府の担当役人の間で交わされた議論の記録をもとに、当時の法的思考を読み解いていく「バーチャルお白州」。
暇を出され衣食住を失った男が、配給された衣類を取り戻そうと元勤め先に侵入、手違いで小屋を焼失させ、窃盗と放火の罪に問われた事件や、主人の妻から渡された恋文にまんざらでもない下男だが後事を恐れ突き返すと主人の妻は自害、密通の罪で下男が捕縛された事件など5件を解説。 (筑摩書房 990円)


















