「嵐の中で踊れ」一木けい著
「嵐の中で踊れ」一木けい著
ドアを開けたら凄まじい風が吹いて、厳の顔に台風の雨が降りつけた。2時間前からスマホに避難をうながす緊急速報が届き始めたが、家族は誰も避難しようとしなかった。
LINEで、高校の同級生の虹が避難所に指定されている一中に来ることを知った。虹の恋人も来る。虹の初対面の印象は悪かったが、以前、駅で出会って虹が手を振るのを見たとき、厳は自分が恋に落ちたことに気づいたのだ。
一中の体育館に避難した厳は、恋は恐怖と表裏一体なのだと思った。虹にメールを送ったとき、もし返事が来なかったら、と気持ちが沈んだことを思い出す。
避難所で、会いたくない人に出会った人たちの葛藤を描く青春小説。 (NHK出版 1925円)


















