著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「パニック障害」は全力疾走で治す? 動悸や呼吸困難などが酷似

公開日: 更新日:

「パニック発作」というのは、狭いところに閉じ込められた時などに起こる、動悸や呼吸困難などを症状とする発作のことです。通常、この発作は命に関わるようなことはありませんが、本人にとってはその症状は深刻なもので、一度強く発作が起こると、また起こるのではないかという不安から、日常生活が困難になることもまれではありません。こうした状態のことを「パニック障害」と呼んでいます。

 パニック障害の治療は、安定剤などで不安を和らげるとともに、徐々に生活を元に戻していく行動療法や、不安に対処するためのリラクセーション法の指導などが行われています。ただ、そうした治療法の効果は、必ずしも十分なものとは言えません。もっと効果的なパニック障害の治療法はないのでしょうか?

 今年の精神医学の専門誌に、全力疾走などを組み合わせた運動療法の有効性を検証した研究結果が発表されています。全力疾走などの激しい運動時には、パニック発作とよく似た動悸や呼吸困難などの症状が起こります。それに体を慣らすことで、パニック発作の恐怖を和らげようというのです。

 パニック障害の患者72人を、従来のリラクセーション法群と運動療法群とに分けて、12週間の治療を施行したところ、運動療法群の方がパニック発作の頻度を減らし、症状も軽減する効果が確認されました。運動はパニック発作に対しても有効な可能性がありそうです。

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