「眩光の彼方」岡田真理著
「眩光の彼方」岡田真理著
プロ球団・神奈川ブルーソックスのスカウト、真柴瑞稀は、母校・立花国際大学の後輩である外野手、笠谷蒼佑を狙っていたが、笠谷は安定した生活を望み、「プロには行かない」と公言していた。
だが、元警察官の真柴は、それは本心ではないと見抜いていた。かつて少年捜査課にいたとき、演劇への道を希望していたのに、亡父が医師だったため医学部進学を母に懇願され、抑圧感から犯罪に走ってしまった少年を担当したからだ。社会人チームに行くと言う笠谷は、小学校の卒業文集では「絶対に、プロ野球選手になります」と書いていた。真柴はドラフト上位に笠谷を推すが……。
夢と現実のはざまで苦悩する若者を描く青春小説。
(祥伝社 1980円)