「遠い標的」八木荘司著

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「遠い標的」八木荘司著

 長州藩の奇兵隊で役職を務めていた冷泉清雅は、垣の内の年寄、為三郎に呼ばれて銃陣訓練を見に行き、凄腕の射撃手、新蔵に会った。新蔵は、逃げようとした兎が後足で地を蹴った瞬間、100メートル先から銃で撃ち落としたのだ。

 為三郎の兄は、清雅がつくろうとしていた第二奇兵隊に新蔵を入れてほしいと頼む。賤民である彼らは、幕府が倒れて維新の世になれば身分制度がなくなるのではないかと考えていた。第二奇兵隊に入った新蔵は、どの小隊にも属さない狙撃手に任命される。

 大政奉還後、長州軍にいた新蔵は、幕府軍との戦いで、徳川慶喜の狙撃を命じられるが……。

 身分制度を壊そうとした若者を描く歴史小説。 (新潮社 1870円)

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