ブレンデッドウイスキーこそ本領「1ドルの価値/賢者の贈り物他21編」所収「幻の混合酒」 O・ヘンリー著 芹澤恵訳
「1ドルの価値/賢者の贈り物他21編」所収「幻の混合酒」 O・ヘンリー著 芹澤恵訳
戦後のウイスキー文化の普及に大きく貢献したサントリーのPR誌「洋酒天国」の編集に携わり、数々のウイスキーにまつわる名エッセーを残した作家・山口瞳。その山口をして「酒がテーマになっている小説では、右に出るものはない」と言わしめた作品。
ニューヨークにあるバーの裏手の部屋に怪しげな2人の男が大量の酒とさまざまな器具を持ち込んできた。バーテンダーのコンが事情を聴くと、2人はニカラグアに向かう船に大量の酒瓶を積んで向こうでの商売をもくろんでいた。ところが瓶入りの酒には高い輸入税がかけられることを聞き、急きょ2つの樽に手持ちの酒の中身をぶち込む。1つの樽は酷い代物だったが、もう1つは極上物。2人はその混合酒を再現しようと部屋で実験を重ねていたのだ。1時間後、2人は取っ組み合いの喧嘩をし警察に連行。コンがカップに残っていた液体を口にすると……。
ウイスキーといえばシングルモルトが珍重されるが、じつはブレンデッドウイスキーこそ本領だとも言われる。皆が夢見る奇跡の混合酒の話だ。
(光文社 792円)


















