マルチの才も芸能界随一 ユースケ・サンタマリアの“処世術”
■サラリーマンなら出世タイプ
本人に何度もマイクを向けたことのあるリポーターの川内天子氏は、「最大の魅力は誰にも嫌われないこと。どんなアドリブにも対応できる機転の持ち主で知識も豊富。主役ではなく三枚目の脇役という自分の立ち位置を熟知しているように感じます」と話すが、ビデオリサーチが発表する最新の「男性タレント人気度」調査ではベスト20位にも入らず圏外。たしかにパッと人目を引くイケメンでもなければ、他を圧倒する話術があるわけでもない。それでも、テレビに出続ける希有(けう)なキャラクターである。
「『笑って――』のレギュラー時代にはいじられキャラとしてタモリと絡み、フジの亀山社長が見いだした俳優として『踊る――』に出演。さかのぼれば、サザンの桑田と組んで音楽番組のMCをやったり、『宮本――』の前からキムタクドラマの常連として呼ばれることも多い。テレビ画面では単なるお調子者に見えますが、これだけ大物と関わりを持つあたり、子分肌で人の懐に入るのがうまいのでしょう。しゃべりも演技も一線級ではないですが、予定調和を好まない彼の芸風は伸びしろがある。芸ありきの伝統芸能とは違い、人柄重視の起用もうなずけます」(コラムニストの桧山珠美氏)
分をわきまえ、敵をつくらず、目上の人に好かれ、伸びしろも感じさせる――。サラリーマンだったら間違いなく出世するタイプである。