外国人審判を大豊泰昭さんが突き飛ばし…星野監督“出動”で「未経験の恐怖」を与えた舞台裏
1997年は俺にとってもチームにとっても試練の年だった。自身の打撃不振に加え、ナゴヤ球場からナゴヤドームへの本拠地移転。球場全体が広くなった影響で、打撃成績はからっきしだった。
広くなったのに、なぜかヤジはしっかり聞こえた。三振したり凡退したりしてベンチに帰るときには決まって、スタンドから、
「このたわけ! カネ返せ!」
などと、厳しいヤジを浴びた。
選手のフラストレーションはたまっていくばかり。6月3日にはナゴヤドームでの横浜(現DeNA)戦で、大豊泰昭さんがプロ野球ワーストタイ(当時)1試合5三振を喫した。その2日後、打てないイライラがついに爆発した。
5日の横浜戦。場所は長良川球場(岐阜)。この日は、外国人審判のマイク・ディミュロが球審を務めた。
97年2月、日米の野球交流などを目的に来日。オープン戦からマスクをかぶっていた。
迎えた六回裏の大豊さんの打席。2球目、明らかにストライクゾーンから外れた球をストライク判定。メジャーは外に広いとは聞いてはいたが、今、改めて映像を見ても、明らかなボール球だった。


















