映画「水の声を聞く」がヒット中 山本政志監督インタビュー

公開日: 更新日:

 口コミで評判が広がっている映画がある。オーディトリウム渋谷で公開中の「水の声を聞く」。手がけたのは、自主映画の世界で気を吐いてきた山本政志監督(58)。商業映画とはほぼ無縁、ユニークで綱渡り的な製作活動を続ける監督だ。

「何も商業映画が悪いということではない。商業映画だろうがインディーズだろうが作品が面白ければ形態なんてどうでもいい、そういうスタンスです。ただ性に合っていないんでしょうね。映画とは稼ぐために付き合っているわけではないから。もちろん、ある時はカネを生むこともある。でもあくまで二次的なもの。映画製作は世の中のすべてのものと別格だから楽しい」

 2012年と13年の2年間、13人の監督が低予算、限られた時間の中で受講生と作品を作る実践型の映画塾「シネマ☆インパクト」を主宰。そこで生まれた大根仁監督作品「恋の渦」が異例の大ヒットを記録。その収益を全額投入する形で今作のカメラを回した。

「『恋の渦』で大根監督がいい仕事をしてくれました。まさにカネを生むケースですね。とにかく完成前から出来栄えが素晴らしく、何となくしゃくにさわったというか、いや、やる気をかき立てられたんです。で、脚本も未完成のまま、エピローグという形で前半30分を撮影しました。危ない橋を渡るようなやり方はここ何年も避けていました。本当に痛い目に遭っているから。でも映画が撮れなくなったら、俺は単なる妙なおっさん。突き動かされるものには敏感でいたい」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然