「報ステ」も“圧力文書”触れず テレ朝が安倍政権に弱腰な理由

公開日: 更新日:

 自民党が昨年11月、衆院選解散後にテレビ朝日「報道ステーション」のプロデューサーに放送内容を批判する文書を出していた問題。テレ朝広報部は本紙に文書受領の事実を認める一方、「特定の個人・団体からの意見に左右されることはありません」(広報部)と回答した。

 そうであれば、降板した元経産官僚の古賀茂明氏(59)が番組で「I am not ABE」と掲げた後の局内の周章狼狽ぶりは何だったのか。なぜ担当プロデューサーは番組を降ろされたのか。そもそも報道機関であれば、文書を受け取った段階で自民党に抗議し、その経緯を放送するのがスジ。自民党の対応は論外だが、テレ朝の腰抜け姿勢にもガッカリしてしまう。

「圧力を掛ける自民党守旧派は許せない」――。1993年の民放連の会合で、当時の椿貞良・テレ朝報道局長は、報道姿勢に難クセを付ける自民党を痛烈に批判。後で国会に証人喚問される事態(椿事件)を招いたが、こんな「気骨稜稜」とした雰囲気は今は昔だ。

 菅官房長官は10日の会見で批判文書について「圧力を加えたものではない」と言ってのけたが、官邸詰のテレ朝記者から「じゃあ何が目的だったのか」と突っ込んだ質問はなかった。きのうの「報ステ」でも、この話題には一言も触れなかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方