組員の現状に迫る映画「ヤクザと憲法」 製作陣が語る秘話

公開日: 更新日:

阿 ヤクザをテレビで扱うのは難しい時代なので、やめてほしかったんですけど、彼(監督)がすごい勢いでまくしたてるから……。「ヤクザ、それでも人間」というところに迫れるならやってみようと思いました。

土 取材のために組員から電話番号を聞いて登録したら「LINE」でメールが送られてきたけど、返信するのはマズイなと。この作品で「彼らも同じ人間だよ」と訴えたいと言いながら、「LINE」は見て見ぬふりをするのは複雑で。ある組員が「せっかくだから食えよ」とたこ焼きをくれようとしたんですけど、これも利益供与になるんじゃないかと思って、「捕まるかもしれないからお金を払います」と正直に言いました。「差別じゃないか」と冗談ぽく言われたけど、少し寂しそうで。公平であるべきメディアの僕たちがこう思うのだから、世間からはもっと厳しい、ゴミみたいな扱いを受けてるんだろうなと改めて感じた瞬間でした。

阿 日本は「無菌社会」が好きでしょ。これはある種、イジメの構造とも似ているかもしれない。それを「暴排条例」が助長してるんじゃないかと。

土 彼らは自分のことを「ヤクザ」と言います。自分を少し蔑むような「テレビ屋」「ブン屋」と呼ぶような感じで。でも、初日の打ち合わせで阿武野さんが「自分たちが『暴力団』と呼ばれることについてどう思いますか」って聞いたら、急に空気がピリッとして困りましたよ(笑い)。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因