桧山珠美
著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

報道に辟易 なんでもハラスメントのおかしな世の中を憂う

公開日: 更新日:

 23日の「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)で「様々なハラスメントを学んでおきたい件」という興味深いテーマをやっていた。“ハラスメント界”でもメジャーなのは福田財務次官のセクハラやレスリング栄監督のパワハラだが、番組で紹介したのは、たとえば“ブラッドタイプハラスメント”。血液型で人格や性格を決めつけるハラスメントのこと。私もB型というだけで何度も嘲笑の対象になったが、会話が弾むならと気にしなかった。今なら「ブラハラです」と抗議できるようだ。

 番組では自分勝手にエアコンの温度を調節、周囲の人の体調を崩させるハラスメントの“エアハラ”を取り上げ、カラオケ店で働く女性が「お釣りを500円玉でくれハラスメント」を訴えていた。600円の支払いに1100円出して500円玉でお釣りをもらおうとする人にイライラするというもので、彼女はそんな客にはわざと100円玉5枚を渡すと主張。どっちが嫌がらせなのか……。

 それから“デブは座らず立ってろよハラスメント”“なにがなんでも席譲らないぞハラスメント”等々、ハラスメントは実に悩ましい。そうでなくても粗忽者の私、気づかないうちにハラスメントをしてしまうのではと考え出したら、人とのコミュニケーションがますます怖くなってきた。さらに展開すれば、メディアがつくり出した“ハラスメント・ハラスメント”と言うこともでき、ハラスメント報道の行き過ぎにもご用心。結局、善良なオッサンはただただ萎縮し、怯える日々を過ごし、セクハラ常習おやじは反省する気配なし。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  2. 2
    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

  3. 3
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  4. 4
    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

  5. 5
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  1. 6
    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

  2. 7
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  3. 8
    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

  4. 9
    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

  5. 10
    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う

    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う