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碓井広義
著者のコラム一覧
碓井広義上智大学教授(メディア文化論)

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授、東京工科大学教授を経て現在、上智大学文学部新聞学科教授。専門は放送を軸としたメディア文化論。著書に「テレビの教科書」ほか。

綾野剛版「ハゲタカ」 碇ゲンドウ似の鷲津政彦に好印象

 木曜ドラマ「ハゲタカ」の原作は、2004年に出版された真山仁の同名小説だ。舞台はバブル崩壊後の日本。「ハゲタカファンド」と呼ばれた外資系投資ファンドを率いる鷲津政彦を軸に、銀行や企業など当時の経済状況や世相も取り込んだ物語だった。

 07年にNHKがドラマ化し、09年には映画にもなっている。その両方で主人公を演じたのが大森南朋だ。その印象は強く、今回の綾野剛も比較されることが多い。しかし結論から言えば、綾野の鷲津も悪くないどころか、かなりいい。綾野自身が過去の映像作品にとらわれず、自分なりの鷲津像をつくり上げているからだ。

 エリートビジネスマン風だった大森版鷲津に対し、インテリヤクザ風の綾野版鷲津。寡黙で伏し目がち、何を考えているのかわからないところが魅力だった大森版に比べ、綾野版は喜怒哀楽を明確に表現する。そこから「あなたはまだ生きている!」などの決めゼリフも生まれてくるわけだ。

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