「SUNNY 強い気持ち・強い愛」監督が語る“リメーク術”

公開日: 更新日:

 1980年代の韓国の民主化運動を描いた原作に対し、大根作品は、「青春音楽映画」というオリジナルの世界観を踏襲しながら、90年代のコギャル文化にスポットを当てた。企画が立ち上がったのは6年前。「コギャル世代がアラフォーになるまで待っていた」と明かす。劇中では小室哲哉安室奈美恵らJ―POPの大ヒットソングが流れる。引退は想定外も「安室ちゃんなら25周年の年には何かやるだろうなって思っていた」とタイミングを見計らった上で満を持しての公開だ。

広瀬すずにはコメディエンヌ的要素が

 女性を主人公に据えた映画は今作が初めてだが、主人公の高校生パートを演じた広瀬すずについては、日刊ゲンダイで連載の「大根仁が女優たちに告ぐ!」(15年6月16日付)で〈仕事してえ!! 撮りたい!!〉と思いの丈をつづっていた。とある作品のオーディションを受けに来た当時から演技力はズバぬけていたと評している。

「恋愛をテーマとしたヒロインではないので、異性に対するキラキラとした輝きよりも、あっという間に当時のノリを取り戻す女子特有の“キャッキャ感”を出すことを意識しました。すずちゃんはこれまで陰のある役や優等生役が多かったけれど、それだけではない。コメディエンヌ的要素があるんじゃないかと思っていた。そこを引き出すのが俺の役割なのかなって」

 現代を生き、成長し続ける女性たちへのエールと羨望と尊敬の念――そんな監督の思いがたっぷりと詰まった作品だ。

(取材・文=小川泰加/日刊ゲンダイ)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  2. 2
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  3. 3
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

  4. 4
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 5
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  1. 6
    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

  2. 7
    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

  3. 8
    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

  4. 9
    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

  5. 10
    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終