著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

テレビは“使命”を思い出し、今こそ福島・辺野古に踏み込め

公開日: 更新日:

 先月も書いた。福島の原発がメルトダウンし、もう8年近いのに、原発の現状ぐらい、テレビで伝えたらどうだと。

「本日も心配をおかけします。今日の3号機の格納容器ですが……、1号機の方はプールから使用済み燃料棒も取り出せてなくて、手がつけられないままです。地元の皆さまおよび日本中に迷惑をおかけしてます」

 と、朝ワイドのコーナー司会役ならオレが現地中継でやるから番組作ってみろと、この紙面で各テレビ局に呼びかけたつもりでいたが、冗談に思われたか、いまだ何の出演打診もないままだ。テレビ局っていうところは、東北や福島県で暮らす人のことを、どこまで思いやってるんだろう。多分だ。多分、何も思ってないという気がする。「テレビ屋」の使命って何なんだと、改めて失望してしまう。

 その昔、海底トンネルが開通したので、本日が最後の就航となる青函連絡船に、カメラとともに青森港から乗り込んだのが、小生初のリポーター仕事だった。1988年、3月半ばの、雪の降りしきる、忘れられないサヨナラ航路だった。函館まで乗船する人の中に、重そうな荷物を大風呂敷に包んで背負ってきたお婆ちゃんたちが毛糸のほっかむりを頭から巻いて、一隅に寄って座っていた。北海道のことなど何も知らない35歳のオレは、ディレクターが言うまま、顔を隠そうとする婆ちゃんに無遠慮に質問を浴びせた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  1. 6

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  2. 7

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  3. 8

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  4. 9

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 10

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々