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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

妻夫木聡は「来る」の収穫 2018年邦画俳優ベスト3発表

公開日: 更新日:

 年末なので、2018年の邦画俳優ベスト3を選出しようと思う。

【1位】妻夫木聡(38) 中島哲也監督のホラー仕立ての正月映画「来る」の一番の収穫は妻夫木聡だった。仕事でうまくやりくりをし、家庭では絵に描いたようなイクメンぶり。ただ、当たり前、平凡に見えるがゆえの異常さが彼からは立ち上っていて、思わず背筋が寒くなった。

 今作は妻夫木を含めて、多くの登場人物たちの日常的な行動、所作、言葉を少しズラしながら描く。一種のデフォルメともいっていい。そのズラし方から日常や平凡の怖さがにじみ出てくる。平凡さの集積が今の日本をつくっているようにも見えた。妻夫木が演じた役は、まさに現代日本が生んだ奇怪極まる象徴的な人物ではなかったか。

【2位】遠藤憲一(57) きうちかずひろ監督の「アウト&アウト」という作品をご存じか。今年の邦画を語る上で、はずせない作品だ。元ヤクザで探偵役の遠藤憲一がキレッキレの演技で拍手喝采をした。最近、コメディーっぽい演技も増えたが、本作ではかつてのこわもて風情全開で、まさにエンケンが帰ってきたといっていい。少女とともに難事件に立ち向かうエンケンには、硬軟を自在に演じ分ける独特の演技の幅が見られ、今年の俳優陣の中で群を抜く輝きを見せた。

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