特別編<3>好きな女優こそメインで使わないことも多かった

公開日: 更新日:

碓井 やすらぎの郷の新たな入居者を見ると、昭和の大女優揃い踏みの感がありますね。

倉本 ただ、現代パートはそうそうたるメンバーだけど、菊村栄(石坂浩二)の脳内ドラマの方は清野菜名と風間俊介以外は無名の役者ばかり。中高年層の視聴者に受け入れてもらえるか、少し心配ではあるのですが……。

碓井 大丈夫ですよ(笑い)。日刊ゲンダイ読者の世代にとって、新キャストの中でも気になるのが、NHK大河ドラマ「勝海舟」(1974年)の丘みつ子さん。勝海舟の妻役でしたが、倉本ドラマの出演はあの時が初めてだったんですか。

倉本 そうだと思います。

碓井 結果的に倉本先生は「勝海舟」を降板することになったわけで、今回、いい意味で決着をつけてくださった感じがしました。丘さんはその後も「前略おふくろ様」(75年、日本テレビ系)、そして「大都会」シリーズの2作(76年、77年=同)にも出演されています。

倉本 当時は結構付き合いがあったんですよ。彼女は現在、小田原で陶芸をやっていて、僕は富良野でしょう? しばらくご無沙汰していたんですが、今回、顔見せしてよって感じでね。

碓井 丘さん同様、新キャストとして名を連ねる松原智恵子さんも忘れてはいけない。映画版の「現代っ子」(1963年)では船上で暮らす少女、洋子役で出演しています。これは倉本聰のペンネームで書いたドラマ版が話題を呼び、「日活」と契約した直後の劇映画デビュー作。父親を交通事故で失った兄妹3人がたくましく生きていく物語です。日活でデビューし、日活の青春映画でヒロインを演じていた松原さんが、かつて日活のライターだった先生のドラマに登場することは、これまたひとつの決着という気がします。

倉本 松原さんは「学園広場」とか歌謡映画も結構出ていた気がしますね。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝