名作「グリーンマイル」現代のキリストは黒人の大男だった

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 2人の悪人が登場する。少女殺しを何とも思わないビルと、陰湿なパーシーだ。前者は現代でも新聞をにぎわせている殺人犯。後者はどこの会社にもいる性格のねじ曲がったチビ男だ。彼らがせめぎ合う場で、コーフィは静かに処刑の時を待っている。

 言うまでもないことだが、コーフィはキリストの再来である。原作者のスティーブン・キングは現代のキリストを黒人の巨漢に仕立てて奇跡を起こさせた。この優しい男は何の罪もなく、黒人差別で死に追いやられたことはポールも分かっている。だから逃げろと勧めるが、コーフィは「世界中の苦しみを感じたり聞いたりすることに疲れた」と言う。その姿は2004年の映画「パッション」(メル・ギブソン監督)のムチで肉体を引きちぎられた揚げ句、十字架を背負わされたキリストのようだ。「パッション」も「グリーンマイル」も心の正しい者が偏見を浴び、苦しみながら殺される殉教の物語なのだ。

 コーフィを演じたM・C・ダンカンはシカゴの貧民街でシングルマザーに育てられた苦労人。本作でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたが、12年9月に心筋梗塞で死去した。54歳の早すぎる死を本作のコーフィの最期とダブらせた人もいるだろう。

(森田健司)

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