名作「グリーンマイル」現代のキリストは黒人の大男だった

公開日: 更新日:

 言うまでもないことだが、コーフィはキリストの再来である。原作者のスティーブン・キングは現代のキリストを黒人の巨漢に仕立てて奇跡を起こさせた。この優しい男は何の罪もなく、黒人差別で死に追いやられたことはポールも分かっている。だから逃げろと勧めるが、コーフィは「世界中の苦しみを感じたり聞いたりすることに疲れた」と言う。その姿は2004年の映画「パッション」(メル・ギブソン監督)のムチで肉体を引きちぎられた揚げ句、十字架を背負わされたキリストのようだ。「パッション」も「グリーンマイル」も心の正しい者が偏見を浴び、苦しみながら殺される殉教の物語なのだ。

 コーフィを演じたM・C・ダンカンはシカゴの貧民街でシングルマザーに育てられた苦労人。本作でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたが、12年9月に心筋梗塞で死去した。54歳の早すぎる死を本作のコーフィの最期とダブらせた人もいるだろう。

(森田健司)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相の沖縄「慰霊の日」追悼スピーチは99%安倍元首相のコピペ…唯一の違いは旧日本軍の神聖化

  2. 2

    福岡ローカル「西鉄」が"本業"以外で大躍進のワケ 国際物流事業は国内4位でコロナ禍の営業収益は12%増

  3. 3

    高市首相の“恥”行動が海外に飛び火! 英タイムスがG7外交をディスり、英FTは国内財界との没交渉ぶりを暴露

  4. 4

    歌手・小椋佳さん「たばこの煙が悩みを解いてくれた」…82歳の今も週1でコンサート

  5. 5

    西武が交流戦初Vも…ワガママエース今井達也の放出こそが“最大の補強”だった説

  1. 6

    AKB峯岸みなみの“丸刈り写真” 世界中で相次ぐ目撃情報の謎

  2. 7

    【高校野球怪情報】沖縄尚学・末吉良丞“プロ回避”に現実味…左肘不安で浮上する「東都の名門」の影

  3. 8

    『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』オールキャリアを代表する傑作のトリセツに注意セヨ

  4. 9

    『グッド・デイ・サンシャイン』一筋縄ではいかないヘンテコこそが中期のすべて

  5. 10

    東京ビートルズの番組が、ビートルズ来日から60年後となる日に放送決定