銭ゲバ男が好奇心から巻き込まれた命からがらの「ゲーム」

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 警察を呼んでCRSの事務所に踏み込むと、そこはもぬけのから。さらに銀行口座から5億ドルを盗まれたことを知るのだった……。

 ニコラスはマイケル・ダグラスが「ウォール街」(1987年)で演じたゲッコーの再現だろう。うなるほどカネを持っているが、道端のホームレスにビタ一文与える気はない。投資先の古参幹部に平然とクビを宣告。カネしか信用しないゼニの亡者だ。しかも自殺した父親の悪夢から逃れられない。

 そんな男が次々と襲いかかるピンチを命からがらで切り抜ける。もはや殺人ゲームだ。恐怖を覚えてCRSを告発しようとしたら、多くのスタッフが働いていたオフィスはがらんどう。ビルの管理会社は「その階には借り手がいない」と証言する。問題のサービスデザインと同じで何が何だか分からない。野党議員も国民も本作のニコラスのように幻覚を見た思いだろう。陰謀めいた力で税金がどこかに吸い上げられている。ニコラスは5億ドルをかすめ取られた。

 マリー・アントワネットだったか、「人はすべてを失ったとき初めて、自分が何であるかが分かる」という言葉がある。本作は血も涙もないガリガリ亡者が落ちるところまで落ちてやっと自分の不完全さに気づくストーリー。話がご都合主義に進んでいくが、寓話的演出と割り切ればいい。

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