田中幾太郎
著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

志村けんが27日に再登場 古関裕而と山田耕筰の本当の関係

公開日: 更新日:

■山田の曲をすべて空で覚えていた古関

 その後、県立福島商業学校に進んだ古関がよく購入するようになったのは、日本で初めて交響曲を作曲した山田耕筰の楽譜だった。あまりに夢中になり、決して安くない楽譜をまとめて購入し、父から怒られたこともあったという。そのおかげで、発行されていた山田の曲はすべて空で覚えていたほどだった。

 曲を作るのも山田の著書「作曲法」で勉強した。そうして完成した曲の中から数点を、まったく面識のない山田に手紙とともに送った。それが数回にわたったが、そのたびに山田は返信を寄こし、「がんばりなさい」など励ましの言葉が添えられていた。

 エールでも描かれているが、古関をレコード会社の日本コロムビアに推薦したのも、同社の顧問を務めていた山田だった。まさに作曲家・古関を世に送り出した最大の恩人だったわけだ。その一方で、ドラマでは若き才能に嫉妬して、レコーディングに横やりを入れる山田の姿も描かれている。ただ、そうした事実はいくら調べても確認できなかった。演出家や脚本家の創作と考えたほうがよさそうだ。

 この山田耕筰をモデルとした小山田耕三を演じているのは、3月29日に新型コロナによる肺炎で70歳で亡くなった志村けん。再放送シリーズでは7月27日に登場する。何度でも目に焼き付けておきたい。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  3. 3
    無垢で可愛かったのに…元有名子役・若山耀人逮捕の衝撃! NHK大河「軍師官兵衛」にも出演

    無垢で可愛かったのに…元有名子役・若山耀人逮捕の衝撃! NHK大河「軍師官兵衛」にも出演

  4. 4
    岸田首相含め政務三役31人、渡航費用12.6億円!円安放置し“血税ごっつぁん”外遊三昧のア然【リスト付き】

    岸田首相含め政務三役31人、渡航費用12.6億円!円安放置し“血税ごっつぁん”外遊三昧のア然【リスト付き】

  5. 5
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  1. 6
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  2. 7
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  3. 8
    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

  4. 9
    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

  5. 10
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前