ドジャース大谷翔平が“意図せず発揮”するリーダーシップ…圧倒的存在感をベンチやクラブハウスでも放つ
連敗を止めたのは、またしても大谷翔平(31=ドジャース)だった。
日本時間22日の対ツインズ戦。今季6度目の先発マウンドに立った大谷は初回、先頭打者のバクストンにいきなり本塁打を浴びた。「全体的に甘かった。ゾーンの甘いところに集まった」と試合後の本人は制球に問題があったと振り返ったものの、直後に打者として3試合連続となる逆転の35号2ラン。「ここ数日、(ボールの)見え方が良くなってきた」と打席で好調時の兆候が出てきたことを明かした。
投げては3回を4安打1失点、3奪三振。悪いながらも失点を最小限に食い止め、バットで取り返したことが、チームに勢いをもたらした。
13日の前回登板ではチームの連敗を「7」、この日は連敗を「3」で止めた。
この日の試合前、ロバーツ監督は大谷のリーダーシップに関してこう言った。
「本人にとっては意図的というより自然とそうなっている(チームを牽引している)感じ。彼は毎日出場、投げて、打席では必要なときに四球を選び、チームのために打順変更も受け入れてくれる。年齢を重ねたこともあり、チームにとってのベストは何か、常に考えている。決して声を張り上げるリーダーではないけれど、彼のプレーそのものがメッセージになっている」
ロバーツ監督は「ショウヘイの登板日は明らかに違う雰囲気がある」とも言ったことがある。選手のひとりによれば「ショウヘイはとにかく忙しくしている。特に投手を始めてからは、ロッカールームでゆっくりしていたためしがない」とか。特派員のひとりが引き取ってこう言う。
「大谷は実際、ロッカールームにほとんどいません。ドジャースはロッカールームの奥に報道陣が入れないさまざまな施設があります。例えば食事をするダイニングルーム、シャワー室、トレーニングルーム、マッサージルーム、打撃ケージ、ひと息入れるスペースなどがある。特に投手を始めてからは打つだけでなく、登板日に向けた調整や投げた後のリカバリーもしなければならない。やることがてんこ盛りで、ロッカールームでくつろぐ暇がないのです。選手たちは大谷が誰よりも汗を流していることを知っているだけに、大谷が投げる日はなんとかしなければいけないというムードが生まれるのだと思う」
ロバーツ監督が言うように、そうやって背中でチームを牽引するだけではない。