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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

AKB48がもたらした弊害 アイドルとファンが近くなりすぎた

公開日: 更新日:

 ジャニーズファンはいつもテレビ局の玄関前にいた。近年、テレビ局は移転や建て替えで建物が要塞化。玄関、駐車場も含め、ガードは完璧。出待ちもままならない状況。その点、昔の局はかなり緩かった。

 駐車場が建物の外にある局もあり、芸能人も玄関から駐車場まで歩く。仕事が終われば必ず出て来るスペース。記者にとっては絶好の直撃ポイントであり、出待ちするファンもアタックチャンスゾーンになっていた。

 夕方は学校帰りの女子高生も制服で待っている。前を通ると「〇〇の番組、何時ごろ終わるか知りませんか」と聞かれることもあった。「誰を待っているの」と聞くと「諸星君」と、お目当てのアイドルの名前を言う。ちなみに「君」付けなのがアイドルファンの特徴だった。

 諸星は1980年代に活躍した7人組グループ“光GENJI”のメンバーで際立って人気が高かった。彼女たちは出てくるまで我慢強く待つ。 出てきても玄関から車に乗るまでの数分のアプローチ。握手できるかできないかぐらいしかない。それでもファンは「触れて体温を感じたい」ために待っている。

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