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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

心を震わせた傑作名作を述懐 今の若者たちよ、欲を出せ!

公開日: 更新日:

 ニュージーランド政府は見事だ。判断が早かった。先日、最大都市オークランドで家族3人が変異コロナウイルスに感染すると、すぐに3日間の全面ロックダウン、つまり都市封鎖を発令し170万人の行動をすぐ止めた。生活に必要な買い物以外は出歩くなと学校も施設も閉鎖した。バシッと一斉に動きを止めると成果も生まれるということか。

 タクシーを拾い、老人運転手に「去年、日本の都市もすぐロックダウンしてたらどうだったんだろう?」と言うと、「日本はダメ。バシッと閉鎖して、しっかり店に補償金を出せばすぐに片付いたんだよ」と言い放った。「運転してたら感染が怖いでしょ?」とさらに聞くと、「オレはいつ死んでもいいけど、死なないんだな。元共産主義者で、成田の三里塚で機動隊員をボコボコにして懲役まで行ってきたんだ……今の学生は暇なくせに権力と闘わなくなったな」と言い足した。こんな70代の頑強な先輩がいたことに一日中、愉快だった。

 若者が奮い立つような映画をもっと作ろうと思う。心が癒やされるとか、元気がもらえるとか、そんな自意識過剰者を相手にするものじゃなく“心をたきつける”ものをだ。それが「映画力」だ。

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