著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

速報!2021年秋ドラマ前半戦を採点「恋です!」「日本沈没」「スナックキズツキ」

公開日: 更新日:

学園モノに挑戦の杉咲花に拍子抜け

 秋ドラマが続々とスタート。今期の特徴は若者をターゲットにした学園モノ、大人も楽しめる豪華出演者モノ、さらに刺さる人に刺さればいいというマニアックモノ。今のところ、こんな感じ。

 まずは杉咲花主演「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系)。

 朝ドラ「おちょやん」で若手の実力派女優として知名度が格段にアップ、次はどんな作品に挑むのか期待していたら、軽いノリのラブコメでいささか拍子抜けだ。

 光と色がぼんやりわかる程度の弱視の盲学校生ユキコ。お相手のヤンキー君・森生は売り出し中の杉野遥亮。見かけが優男なので「地元でその名を出しただけで相手が逃げ出す有名なヤンキー」には見えないが、ユキコに恋して一途に突っ走る不器用な感じはいい。

 唐突に出てきた「視覚障害に関する豆知識」コーナーの案内人を、かつてR-1ぐらんぷりで優勝したこともある盲目の漫談家・濱田祐太郎が担当していて好感が持てた。

 点字ブロックの重要性など、視覚障害者への理解が深まれば存在意義もあろうというものだ。

放送直前に地震! 小栗旬「日本沈没」の明暗は

 話題性と俳優の豪華さで間違いなく今期一、二を争うのが「日本沈没―希望のひと―」(TBS系)。放送日の3日前に、関東で10年ぶりの大地震が起き、フィクションがグッと現実に寄ってきた感も。そんなこんなで初回世帯平均視聴率は15.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)とまずまず。主演は小栗旬、「関東沈没」説を唱える田所博士役の香川照之(1973年映画版では小林桂樹が演じた)のクセが強過ぎてハリウッド仕込みの小栗の演技が印象に残らない。

 心配なのが日本未来推進会議のメンバー。環境省官僚の小栗、経産省官僚の松山ケンイチ、厚労省官僚のウエンツ瑛士、外務省官僚の中村アンとキッザニアの職業体験じゃないんだから。総理大臣仲村トオルで副総理兼財務大臣石橋蓮司、官房長官杉本哲太って大丈夫?

 流れを止めるかのように唐突に入るナレーションもいただけない。新人アナかと思ったら、ホラン千秋で。ホラン、夕方のニュース「Nスタ」で頑張っているから、ご褒美なのか。ブラマヨ小杉やチョコプラ長田、空気階段もぐらなどお笑い芸人をワンポイントで使って、SNS用?

謎の展開も許せる原田知世「スナックキズツキ」

 お口直しは「スナックキズツキ」(テレビ東京系)で。

 原田知世が都会の路地裏にあるスナック「キズツキ」のママ。

 毎回ワケありの客が訪れて癒やされるアロマテラピーのようなドラマだ。

 お酒を飲めないからという理由で酒を出さないとか、突然カラオケを勧められ、ママのギターで歌わされるとか、謎の展開も彼女なら許せる。ママが作るソイラテや名物のカレーもおいしそう。

 終わってみれば、「ドクターX」(テレビ朝日系)の独り勝ちにならないことを祈る。

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