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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

吉高由里子「最愛」サスペンスドラマで重要なのは“どこまで視聴者に教えるか”である

公開日: 更新日:

 今週17日、吉高由里子主演の「最愛」(TBS系)の最終回が放送される。

 2006年に薬物を使って女性を暴行していた男が岐阜で失踪。15年後に白骨化した遺体となって見つかった。しかもその直後、息子の行方を捜していた父親も東京で遺体となって発見される。

 どちらの事件も製薬会社の社長、真田梨央(吉高)の周辺で起きた。特に、すべての発端となった15年前の出来事は、梨央だけでなく父や弟をも巻き込んだ。さらに当時は大学生で、現在は刑事の宮崎大輝(松下洸平)も関係者のひとりだ。

 サスペンスドラマで重要なのは、どのタイミングで、何を、どこまで視聴者に教えるかである。登場人物が知っていて、見る側が知らないこと。逆に、見る側は知っているのに、登場人物は知らないこともある。その組み合わせの妙がサスペンスを生むのだ。

 前回までに、父親の遺体発見現場にあった「赤いペン」によって容疑者が絞り込まれてきた。しかし、これも見る側を揺さぶるミスリードかもしれない。脚本は奥寺佐渡子と清水友佳子。湊かなえ原作のドラマ「リバース」などの名コンビだが、今回のオリジナル脚本も大健闘だ。見る側に「考察」の醍醐味と、展開に身をまかせる快感の両方を提供している。

 いずれにしても、過去と現在、2つの事件の真相が一挙に明らかになるのは間もなくだ。

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