デーブ大久保さん プロ野球経験者初の球団オーナーになりたい、有言実行を目指す!

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大久保博元さん(タレント・野球解説者/54歳)

 西武巨人で活躍後、東北楽天の監督も務めた大久保博元さん。「デーブ」の愛称で今なお人気だが、死ぬまでにやりたいことはプロ野球のオーナーというデカい夢。野球経験者がオーナーになることの重要性を熱く語った。

  ◇  ◇  ◇

「一軍監督は12人しかいない」と言われますけど、組織の中でいえば結局は雇われなんです。球団の考えに従うのが雇われている監督の当たり前の立場だし、球団と監督が話のすり合わせをする時に「ちょっと違うんだよなあ」と思ったとしても従わなきゃならない。全権を任されているのは原監督だけじゃないですか。

 例えば外国人選手の起用法で、どんなに打てなくても「あと50打席は使ってほしい」と言われると「いやいや、無理でしょ。50打席使ったら何試合負けちゃうんですか」と思いますよね。打つ外国人はハナから打つか、打たなくても近いうちに打つかどうかはスイングの速さやタイミングの取り方でわかりますよ。絶対に打たないのもわかります。

 でも、球団のだれかが獲得してきたわけだし、オーナーが「何億円もかけてとってきて、なんで使わないの?」と球団社長に言えば、使わなきゃいけないと現場に話が下りてくる。現場からすると「負けますよ」と。

 または、試合当日に球団から「この選手を使って育成しよう」と言われる。でも、当日の練習でバッティングも守備も動きがまったくダメな状態だったら、「今日は外した方がいい」となるのに、「使ってくれ」だから外せない。現場からすると何がわかるんだよって気持ちがあるじゃないですか。

■監督の一番の仕事は選手の士気を上げること

 これは現役時代からずっと感じていました。ベンチの選手の士気が下がっちゃうんですよね。監督の一番の仕事は選手の士気を上げることだと思っていますが、下げちゃう一番の理由は選手起用です。

 日本ハムの監督だった栗山さんがすごかったところは球団との申し合わせで若い選手をずっと起用しても、栗山さんは球団に言われているとは微塵も見せずに自分の判断だと演じられること。その姿を選手に見せられるのがすごい。選手は事実をわかっていながらも監督についていく。

「政治家にならなきゃあかん」と星野仙一さん

 僕は西武、巨人、そして監督を務めた楽天とすごいオーナーの下にいました。監督は政治家的なことができないとダメです。

 楽天の二軍監督の頃、一軍監督だった星野(仙一)さんからは「政治家にならなきゃあかんぞ」とよく言われましたから。根回しとかして賛同者を増やさないと。でも、政治家にはなれなかったから1年で辞めました(笑い)。

 僕は野球をやっていた人間がオーナーになること、つまり選手だった人が金儲けを覚えて経営者になり、プロ野球のオーナーになれば、現場はもっとやりやすくなると思うんです。球団内部に入っても、サラリーマンだからどんな役職でもダメです。

 オーナーになるためにはまずお金を稼がなきゃいけない。オーナーたちの承認がいるわけですから、社会貢献ができる立派な会社を持たなければ球団を持たせてもらえない。簡単にはいかないのはわかってます。

 僕が新企業を持つか、今持っている会社を僕の息子が大きくしてくれてプロ野球に参入できるようになるのが夢です。2000年以降も楽天、DeNAと参入しています。いろんな業種の人が仲間になってくれて大きなお金を動かせるようになれば、チャンスはまったくないわけではない。

■死ぬまでに…

 だから、死ぬまでにプロ野球経験者の初オーナーを目指したい。もしオーナーになれたら選手起用や方針については現場と話し合う。僕がオーナーなら「野球やったことないでしょ」と思われることはないですから。

 変えたいシステムが具体的にあるわけではなくて「現場は監督にすべて任せる」ことと「野球をしていた人(オーナー)が監督と直接話をする」ことが大事なんです。話し合ってわかり合ってともに前に進む。話し合いがなければ進めない。

 具体的には今の野球選手の中に「将来はオーナーになりたい」と考える人が出てきてほしい。「監督になりたい」なんてちっちゃすぎる夢です。僕でもなれるんだから。

 オーナーになるのが僕の最大の社会貢献と考えてます。言わなきゃ実現しないから、この取材をきっかけに本気で考えています! 僕も目指すんだから、現役のスターから「球団を持ちたい」と夢見る選手が現れてほしいですね。

(聞き手=松野大介)

▽大久保博元(おおくぼ・ひろもと) 1967年2月、茨城県出身。84年のドラフト1位で西武ライオンズ入団。巨人在籍時の95年に引退。その後は埼玉西武のコーチ、東北楽天のコーチ、二軍監督、一軍監督など。ユーチューブ「デーブ大久保チャンネル」配信中。

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