著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

「満天☆青空レストラン」でゲストを自然体にしてしまう宮川大輔の手腕

公開日: 更新日:

 2009年に放送開始の「満天☆青空レストラン」(日本テレビ系)は、今や堂々の長寿番組だ。

 司会の宮川大輔とゲストが全国各地を訪れ、地元の食材生産者と、その食材を使った料理を紹介していく。何より「食材」という一見地味なテーマを大切にしてきたことが長寿につながっている。

 最近だと、大友花恋が鹿児島県の霧島で「旨だし酢」に驚き、浜口京子が小田原の「下中たまねぎ」にかじりついていた。中でも出色だったのが、玉木宏の所沢編だ。

 聞けば、所沢は小麦の名産地。「麺」は地域のソウルフードだという。訪問したのは300種類の生麺を扱う製麺所だ。ここで玉木は見学するだけでなく、中華麺やうどん作りにも挑戦する。

 その上で、製麺所の麺を使った「肉汁うどん」や「醤油焼きそば」をいただくのだが、玉木の食べっぷりが実に気持ちいい。人柄の良さだろう。仕事というより、好きな麺を心から味わっていることが伝わってくるのだ。

 毎回、こんなふうにゲストを自然体にしてしまうのは、宮川の手腕だ。「うまい!」の雄たけびは賑やかなのに、自分を押し出し過ぎず、ゲストがリラックスできるよう常にフォローしている。

 番組の締めは「本日の乾杯メニュー」のコーナー。地元ラーメン店が作った「ところざわ醤油生姜ラーメン」を前に、みんなで乾杯する生ビールが何ともうまそうだった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る