著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

20代から悩みぬいた末にたどり着いた バイク川崎バイク「アクセル全開」の境地

公開日: 更新日:

 ちょうど、BKBの頭文字で文章を考えていくのと似ている。ならば、BKBは小説でもBKBネタをやっているということなのかもしれない。

 そもそもBKBは23歳まで美容室で働いていた。このままでいいのかと悩んでいる時に、地元の友人から誘われて吉本の養成所NSCに入った。最初はコンビで活動していたが解散。何度かコンビ結成・解散を繰り返しピン芸人となった。

 その時、最初の相方から、本名が川崎で「川崎といえば、バイク」という理由だけで、バイク好きでもなんでもないのに「バイク川崎バイク」という芸名をつけられた。これがBKBの芸風を決定づける大きな転機となった。

 最初は芸名に関係のないネタをしていたが、同期の芸人や先輩たちに「バイクやんけ、ブンブン」などと振られ、「僕自身からというよりも、いじられて仕上がっていった感じ」(オリコン「ORICON NEWS」15年10月14日)で芸風が確立していった。

 冒頭の番組で「人前に立ってウケないといけない環境って異常ですから」「精神衛生を常によくしておかないと病む」と語っていたBKBは29歳の頃、思い悩み、休業状態になったことがあった。約半年後に復帰したとき、ファンから「元気をもらえる」「小さいことで悩んでいたのがバカらしくなった」といった声がたくさん届いたという。

「そういうのって芸人としての僕の信義かなって」(「オリコンニュース」=前出)と語るBKBは、40歳を越えた今も「バイクだけにブンブン!」とアクセル全開で叫んでいる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした