安保法改正の時、ゲンダイの見出しに学生たちがどよめいた
水島朝穂(早大名誉教授=憲法学)
日刊ゲンダイで忘れられないのは2015年7月15日、衆院平和安全法制特別委員会で、いわゆる安保関連11法案が強行採決された日です。翌日、法案は衆院本会議を通過し、参院に送られるわけですが、このことを新聞がどう報じたか、を授業で取り上げたのです。私の授業では、書画カメラを使って新聞紙面や歴史資料を大画面で映し出します。
法案に肯定的な産経、読売から始め、毎日は「安保法案きょう衆院通過」と月並みな見出し。朝日は「安保採決、自公が強行」とやや批判を強め、東京新聞は「戦える国、衆院可決」と踏み込んだ。順番に大画面で見せていくと、学生は新聞によって違うんだなとホ~ッとなる。そして最後に日刊ゲンダイの見出しを出す。「自公強行、憲法破壊」です。この瞬間、学生はどよめいたんですね。それが忘れられません。
私の授業は大教室で400人ぐらいの学生がいたと思いますが、それがわっと驚いた。あの見出しはインパクトありましたね。でも、ゲンダイは大げさに書いたわけではありません。実際に、憲法破壊が行われた。それを他の新聞はハッキリ書かなかっただけなのです。


















