著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

気鋭の社会学者・周東美材さんと語り合った この国の「未熟さ」が示すもの

公開日: 更新日:

 出版不況が叫ばれて久しいが、新刊の著者のトークイベントを毎日催して盛況の書店が、東京の下北沢にある。店名を「本屋B&B」という。一風変わったその名は本(Books)とビール(Beer)に由来する。実際にビールをはじめとしたドリンクを片手に読書したり、対談を楽しむことができるのだから、本好きの天国といわれるのもうなずける。

 先週ぼくは実に7年ぶりにB&Bのイベントに出演した。気鋭の社会学者・周東美材(しゅうとう・よしき)さんが、あまたの実例を引用して日本のポピュラー音楽文化の特徴を論じた「『未熟さ』の系譜」(新潮社)の出版記念対談である。

 周東さんは1980年生まれの42歳。童謡についてのユニークな研究で注目を集める存在だ。面識はなかったが、先述の新刊がとにかく面白かったので対談依頼を喜んで受諾した。

 ぼくは実作者の立場から、この国の商業音楽に足りないものはメロウ、つまり成熟を求めるまなざしだと長年言いつづけてきた。周東さんは1回り下の世代だが、新刊では腑(ふ)に落ちるフレーズを連発していた。そんな著者に会ってみたいという個人的な興味も携えてB&Bに向かった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発