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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

愚かさを武器にディーン・フジオカは未知の世界を放浪し続ける

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 アメリカで永住するつもりだった彼を阻んだのは、2001年に起きた同時多発テロだった。ビザが取得できなくなり、アメリカに居続けることができなくなった。そこで彼は大学教授の「これからはアジアの時代だ!」という言葉を思い出し、アジアを放浪する旅に出ることにした(扶桑社「女子SPA!」15年11月26日)。

 そして滞在先の香港のクラブでラップを披露していたところ、ファッション誌の編集者からモデルとしてスカウトされ、本格的にキャリアをスタートさせたのだ。

 13年に「新しい国でのチャレンジ」(日本商工会議所「月刊石垣」15年11月号)のつもりで、日本に帰国。15年にNHK朝ドラ「あさが来た」で五代友厚役を演じ、大ブレークを果たした。

「拠点を移し、国を変えるたびにターニングポイントが訪れました」(扶桑社「NuméroTOKYO」19年12月号)と振り返るディーン。冒頭の番組では「地球上が自分のプレーグラウンド」と語り、「5年後、10年後、どうなっているか、見えちゃったほうが怖い」「何が起こるか分かんない方が楽しい」とほほ笑んだ。

 これからもディーン・フジオカはその場に安住することなく、「愚かさ」を武器に、自分にとって未知の世界を“放浪”し続け、新しいアイデンティティーを作り直していくに違いない。

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