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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

ダウンタウンと日本テレビの大きな転機となった1992年の「24時間テレビ」

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 日本テレビダウンタウンといえば、いまや彼らの“ホーム”となった「ガキの使いやあらへんで!」だが、「始めるときは、そない気合いは入ってなかった」(ワニブックス「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! <6> 軌跡」2003年11月1日発売)と浜田は言う。プロデューサーの菅賢治は、ダウンタウンのファンで「漫才を生で聞きたい」というのが一番の動機で番組を立ち上げた。

 90年日テレ系の改編期特番「人気番組でクイズ世界はSHOW by ショーバイ」では、ゴールデンタイムの人気番組が並ぶ中、関東ローカル(当時)の深夜番組として唯一「ガキの使い」が参加。トップを争っていた「知ってるつもり?!」チームが早押しに勝つと、浜田は鬼の形相になり、解答席の机の上に上るや「コラァー!」と叫びながら、いわゆるヤンキー座りで大御所の関口宏にメンチを切って威嚇し始めたのだ。そんな姿は強烈なインパクトを与え、認知度を高めていくと引き換えに、高年齢層には彼らを疎む人も多かった。

 そんな中でおこなわれた92年の「24時間テレビ」。歴代最高視聴率を記録したこの放送のエンディングで、ダウンタウンの目には涙が光っているようにも見えた。菅はそんな光景を見て「うわ、これがスターになっていくって瞬間なんだろうな」(ワニブックス「笑う仕事術」14年8月25日発売)と実感した。

 まさに92年の「24時間テレビ」は日テレにとっても、ダウンタウンにとっても、大きなターニングポイントだったのだ。

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