著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

舞台「外地の三人姉妹」は過去が題材だが、その描く先には未来がある

公開日: 更新日:

 本作が2020年12月にKAAT(当時の芸術監督は白井晃)で初演されて以来、3年ぶりの再演に至った経緯にも注目したい。パンフレットによれば、現芸術監督の長塚圭史は、初演時は同劇場の(次期監督就任を前提とした)芸術参与の立場で、本作に烈しく心を動かされ「然るべき時に再演すべき作品」とはっきり認識していたという。

 つまり今が「然るべき時」。2023年は、世界に蔓延し支配してきた旧いルールの終わりを感じさせる出来事が頻発した。国内外でだ。その年の暮れに再演時期を設定した長塚さんの視点、それ自体が社会時評として機能することは、ぼくが贅言を尽くすまでもない。過去が題材の舞台だが、その描く先には未来がある。

■浮かび上がる平田オリザのシルエット

 さらにその向こうには、チェーホフと日韓文化交流の双方に通暁した先達・平田オリザのシルエットが浮かび上がって見えた。ぼくの気のせいだろうか。奇しくも本作公演中の12月1日、オリザさんが父親の代から運営し、若手演劇人のサポートでも知られてきた〈こまばアゴラ劇場〉の来年5月閉館が、同劇場ホームページで発表された。そこには経済的理由があることも詳らかに記されていた。カタチを変えても続く志を信じたい。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    バタバタNHK紅白 高視聴率でも今田美桜、有吉弘行らMC陣は負担増「出演者個々の頑張りに支えられた」

  2. 2

    松山千春がNHK紅白を「エコひいき」とバッサリ!歌手の“持ち時間”に求めた「平等」の正当性を考える

  3. 3

    「将軍 SHOGUN」シーズン2も撮影開始 2026年は柄本明、平岳大ら海外進出する日本人俳優に注目

  4. 4

    ロッテ前監督・吉井理人氏が2023年WBCを語る「大谷とダルのリリーフ登板は準決勝後に決まった」

  5. 5

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  1. 6

    ロッテ前監督・吉井理人氏が佐々木朗希を語る「“返事もしなかった頃”から間違いなく成長しています」

  2. 7

    矢沢永吉ライブは『永ちゃんコール』禁止で対策も…B'z『客の大熱唱』とも通じる“深刻な悩み”

  3. 8

    《国分太一だけ?》「ウルトラマンDASH」の危険特番が大炎上!日テレスタッフにも問われるコンプライアンス

  4. 9

    巨人オーナーから“至上命令” 阿部監督が背負う「坂本勇人2世育成&抜擢」の重い十字架

  5. 10

    現役女子大生の鈴木京香はキャピキャピ感ゼロだった