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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

志は皆同じ 濱田祐太郎の開拓した道にコストをかければ莫大なカネを生む

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日常で感じた違和感やあるあるをネタに

 濱田は小学6年の頃、ビッキーズやハリガネロックらの漫才の面白さに衝撃を受けた。その1カ月後に開催された第1回「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)は、ハリガネロックが絶対優勝すると確信していたが、優勝は中川家。「さらに面白い人たちがおんねや」とお笑いの世界に魅了され、芸人を目指すようになった(ヤフー「Yahoo!ニュース特集」22年1月2日)。

 当然だが、他の健常者の芸人たちとそのきっかけは何も変わらない。彼の漫談もそうだ。彼自身が日常で感じた違和感や、あるあるをネタにしている。ただ、目が見えないという“視点”があるだけだ。

 障害の有無ではなく、実力がないから出られないと思える世界でなければならない、と冒頭の番組でウエストランド井口は言う。それには濱田のように実力があり、結果を出した人間が普通にバラエティーに出ていなければならないと。確かに彼を出演させるためには、サポートする人が必要になり、多少余分に金がかかる。しかし、同番組で、とろサーモン久保田が言うように「やっと濱田くんが開拓した道はそこで止めたらあかんくて、多少お金がかかろうが会社は押し出してやるべき」だ。

 そして彼が先駆者となれば、莫大な金を生むに違いない。

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