フジテレビ夏ドラマには追い風吹くが…福原遥「月9」&木村文乃「木10」の“共感ドラマ”が本当の正念場
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「いずれも派手な事件や裏切り、ドロドロは一切なく、登場人物が日常を積み重ねていくうちに少しだけ変化が起こる。まあ、ドラマですからそれなりにちょっとした事件やご都合主義的な展開もあることはあるんですけど、その時代で普通に生きていく中で起こり得ることをベースにしているのが、視聴者に安心感を与えたのでは」と分析する。
さらに亀井氏はこう続ける。
「どんなに奇抜な設定や大ドンデン返しなどの仕掛けがあっても、タイパ重視のこの時代、《倍速再生で見て大まかに話が分かればいい》《結末だけチェックすればいい》なんて扱いを受けてしまうことも多々ある。その点、登場人物が魅力的に描かれていると、事件の有無は関係なく、《この人たちを見ていたい》となるんですね。特に2クール、4クール以上なんて連ドラがよくあった昭和を知る世代にとって、“終わらないドラマ”ってある種の希望なんですよ。そういう雰囲気のあるドラマが支持されたというのは、過激なドラマが増えたり、生々しいスキャンダルが報じられたりしている今だからこその現象なのかも」