桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」無理せず自分を大切にする生き方を教えてくれた
先週、桜井ユキ主演「しあわせは食べて寝て待て」(NHK)が完結した。主人公は38歳で独身の麦巻さとこ(桜井)。膠原病になったことで生活が一変してしまう。仕事は週4日のパート勤めに。住居も家賃5万円の古い団地になった。
隣の住人は美山鈴(加賀まりこ)。彼女は居候の羽白司(宮沢氷魚)と暮らしている。元々は仕方なく始めた団地生活だったが、鈴たちとの出会いと薬膳料理を知ったことで、さとこの中で何かが変わり始める。
物語の進行とともに薬膳が身近になっていく。たとえば、杏仁豆腐の原料はあんずの種で、喉の調子を整えてくれる。お粥には胃腸を守り体力を補う効果がある。そして体の中の潤いを補ってくれるのがニンジンだ。見る側も自分で自分をいたわる養生の道を知った。
さらに、印象に残るセリフがいくつもあった。病気を抱えた自分が許せないさとこに鈴が言う。
「これまでの自分と比べるから、しんどくなるんじゃない? こう考えたらどうかしら、新しい自分になったんだって」
また、幸せになることについて司が言う。「一歩一歩ですよ、きっと山登りみたいなものなんです」。やがて、さとこも「未来は不安ばかりじゃない。何か自分にできることを見つけていけたら」と前を向いていった。
このドラマが教えてくれたのは、無理せず自分を大切にする生き方だ。