著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966-2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。

メディア人が肝に銘じるべき「ロックの伝道師」の腹のくくり方

公開日: 更新日:

 彼が「ロッキング・オン」というロック雑誌を創刊して、軌道に乗った79年に書いた文章。

 コラムの内容としては、雑誌メディアは、ある程度は読者層を絞らなければならないが、しかし売れないからといって「受け手が馬鹿だから」などというのは本末転倒、なぜなら、そもそも雑誌などのメディアは、多くの人とコミュニケーションを可能にした発明なのだから、というもの。

 そんなコラムのクライマックスで、この言葉がドーンとくる。

 昨今、音楽ライターの多くは、ほとんどが音楽情報業になっている。当時よりもいよいよ細分化された音楽メディアの中で「自分(が推している音楽家)のことをわかってくれる素敵な」読者に向けて、細々とした情報を届けるお仕事。

 対して私は、白状すれば、いつも「目の前に居るひとつも話の通じない最悪のその人」に向けて書いているつもりだ。

 日刊ゲンダイという一般メディアで、音楽について書くのに必要なのは、そういう腹のくくり方である。

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