芸人ヒロシさんのおふくろメシは腹持ちがいい九州の定番メニュー「だご汁」
テレビで紹介される豪勢なキャンプメシに異議あり
キャンプメシに関しては僕自身はあまり食にこだわらないタイプなので鉄板で焼いて食べるくらいなんです。結局はキャンプで食べると何でもうまいんですよね。ステーキ肉を持っていって、塩コショウだけで食べるのがうまい。
僕よりもキャンプ仲間の方が圧倒的に料理好きで、スパイスをいっぱい持ってきたりします。そういう人はキャンプだからではなくて、家でも凝ったスパイスを使って料理するんです。でも、僕は家でも調味料は塩コショウ、醤油だけでシンプルに作るので、キャンプでもそれ以外は持っていかないです。こだわりがないのがこだわり。いつも食べているものでもキャンプ場で食べるとうまいですから。
だから、テレビでたまに紹介される「キャンプメシ」は理解できないんです。ソロキャンプしに行って、鶏の丸焼きとか豪勢な料理を作る人がいるけど、「それ、何人で食う量なんだよ」と思う。家族のキャンプなら別ですけど、ソロキャンプじゃ余った分は捨てているんじゃないかと。料理法も凝って、鶏のお尻に缶ビールを入れて軟らかくしたりして、バエる料理を作りたいんだろうけど、一羽の鶏の命を軽く見ている人だと僕は思っています。
僕は1人で食べ切れる量しか持っていかないし、必ず使い切って帰ります。貧乏性なのかもしれないけど、僕はこれからもソロキャンプのメシはシンプルにいきたいです。
(聞き手=松野大介)
【レシピ】(2人分)
(1)(だご用)薄力粉50グラムと塩ひとつまみをボウルに入れて水でこねて30分寝かす。
(2)煮干しに水を加えておいておく。
(3)大根は幅5ミリ程度で十文字に切る(いちょう切り)、ニンジンは縦半分に切り、幅5ミリの半月切りに、ゴボウはきんぴらのようにささがき、シイタケは軸を落として薄切り。好みでエノキダケなどキノコ類、長ネギ(ともに1センチ程度の長さ)を加えることも。
(4)鶏もも肉(50グラム)は小さめの一口大。
(5)鍋にだし汁を入れて煮立たせアクを取り、そこに鶏肉と野菜を入れてアクを取り、軟らかくなるまで弱火で煮る。
(6)スプーンでだごを一口大にすくい、落とし入れて火が通るまで煮る(3分程度)。
(7)味噌を溶き入れてひと煮。椀によそい、小ネギを散らす。好みで七味唐辛子、ユズコショウを添える。
▽本名・齊藤健一(さいとう・けんいち) 1972年1月、熊本県出身。95年に芸人デビュー。コンビ活動などを経て2000年代にピン芸人でブレーク。15年開設のYouTube「ヒロシちゃんねる」のソロキャンプが人気に。キャンプの著書多数。



















