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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一〈14〉かけ蕎麦で食いつないだ浅草修業時代「仲見世通りは意地でも見なかった」ワケ

公開日: 更新日:

 作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「一家解散のあと豆腐屋の2階に下宿してから萩本さんは何を食べてたんですか?」

萩本「あ、ご飯は先輩が『天ぷらそば頼んでくれ』とか言うとき、必ず『おまえも頼め』って言うんで」

増田「東洋劇場の楽屋とかで食べてたんですか?」

萩本「そうです。だから、みんな弁当持ってくる人だけになっちゃうとやっていけませんね。でも誰かが『おまえも頼めっ』て言うんで」

増田「そういうところはあったかいところもあったんですね、やっぱり」

萩本「そうです。ですから、『おい、ちょっとそば頼んでくれ』って。でもね、いつもかけそば食ってた。先輩が『たまにはおまえ、きつねそばぐらい食ったっていいんだよ』って。そういう時はね、俺は偉そうに腹のなかで〈うるせー、俺の夢を壊すな。俺は有名になったらきつねそばを食べようとしてるんだ〉って思って『ぜったい食いません』って言って我慢してかけそば、かけうどんを食べてた。馬鹿だね」

増田「おごり甲斐がないですね」

萩本「だから先輩たちは『こいつにね、あれ食っていいぞって言ってもかけうどんしか食わねえからな』って笑ってた。『言っても無駄だぞ』なんて言ってたから。だからそのうち『おい天ぷらそば頼んでくれ。おまえはかけそば頼め』って先に言われるようになっちゃった。で『ありがとうございます』って」

増田「栄養は大丈夫なんですか?」 

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【連載】増田俊也 口述クロニクル「茶の間を変えたコメディアン 欽ちゃんのぜ~んぶ話しちゃう!」

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