“憧れのタワマン”が地に落ちていく…菅野美穂主演の「階層サスペンス」
特に、主婦たちのリーダー格である社長夫人・寛子(横山めぐみ)の「選民意識」がすさまじい。なにしろ低層階の住人を「私たちとは“民度”が違う」とまで言い放つ。
地位や財産や職業などで区分される「社会階層」と、建築物の階数を指す「階層」を、まんま重ねて見ているのだ。逃げ場のない集合住宅での階層差別。背景には格差社会、階層社会といわれるこの国の現状があった。
一方、タワマンの周辺では幼児の連続失踪事件が起きていた。いずれも子育てをおろそかにした母親の子供が被害者だ。ドラマの冒頭、いきなり犯人かと思わせるような描写で登場したのが、フラワーアレンジメントのプロ・弓子(松嶋菜々子)である。謎めいたアルカイックスマイルと、何もかも知っていそうな黒幕的たたずまいが怖い。ヒット作「家政婦のミタ」(11年、日本テレビ系)を彷彿とさせて、松嶋のハマリ役だった。
さらに高級タワマンに設置された隠しカメラなど、シャロン・ストーン主演の映画「硝子の塔」へのオマージュも散見された。脚本は「黒の女教師」や「アリスの棘」などを手がけてきた、池田奈津子のオリジナル。ダークヒロイン物を得意とするその腕前が披露されていった。


















