(11)防災訓練は警備員が“主役”になれる数少ない機会 ヤラセの要素もあるが役に立つ
「店舗内全員避難確認しました」
大きな声で店長に向かって敬礼する私。今日は、私の働くショッピングセンターの防火訓練の日だ。市町村によって異なるが、この地域では年2回義務づけられているのだ。警備員として参加者全員の前で敬礼するのが見せどころである。普段は裏方の任務がほとんどの警備員にとって、みんなの前で格好つけられる数少ないシーンなのだ。
こうした警備員にとっての数少ない「晴れ舞台」ともいえる防火訓練(年2回で6カ月に1回)、防災訓練(年1回で地震などを想定しての訓練)だが、クライマックスに至るまでの準備と片付けは警備員自身がやらなければならない。防火訓練は避難訓練や消火器の使い方なども行うため内容が盛りだくさんである。
しかもショッピングセンター内のテナントが営業開始する前の30分間ですべてを完結しなければならないから大変だ。そのため、準備をしっかりしておかないといけない。消防署への事前連絡、設備会社から練習用の消火器の借り入れ、その消火器に水を圧縮して入れる作業、各テナントへの実施日の案内と参加者(各テナント1人以上)の確認、当日の訓練場所の確保(平面駐車場に前日の夜、コーン標識を並べてスペース確保)などの準備が最低限必要となり、それらをすべて警備員がやるのである。

















